第1部:障害者として生まれたわけじゃない。社会が僕たちを「障害者」にした
こんにちは。管理人です。この文章を読んでいるあなたは、きっと「障害者として生きる苦しさ」を知っていると思います。生まれつきでも途中からでも、身体でも心でも――“普通”というレールから外れた瞬間、世界はまるで今までと違う顔を見せてきます。
僕がその世界に放り込まれたのは10歳のときでした。脳疾患による左半身のマヒ。車いすこそ使いませんが、動きの悪さ、止まらない汗、眼球の焦点がうまく合わない感覚。周囲は優しくしてくれていたけれど、僕の人生はその日から完全に別物になりました。
「障害者」と一口に言っても、身体・知的・精神・内部障害など多種多様です。しかし社会の扱いはひとつ。「役に立つ障害者」と「役に立たない障害者」。どんなに努力しても、その線引きが平然と存在しているのが現実です。
日本には1億2千万人が暮らし、そのうち障害者は744万人。これは愛知県やスイスと同じ人口規模です。それほどの人数がいるのに、まるで存在しないかのように扱われる。それが日本の障害者の立ち位置です。
法定雇用制度はある。雇用率は2%になった。でも実感はない。企業は「義務だから」採用しているだけ。僕たち一人ひとりを必要としているわけじゃない。だから僕たちは就職活動のたびに、社会から何度も存在を否定される。
そして気づくのです。僕たちは“障害者として生まれた”のではない。“社会によって障害者にされた”のだと。
働くとは何か。生きるとは何か。16回不採用になったとき、僕はこの問いに向き合わざるを得ませんでした。でも同じ痛みを抱える仲間がたくさんいるなら、その経験には意味がある。だから、この三部作を書いています。

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